下半身の症状

 当院では、腰・膝・下肢などの下半身の痛みやしびれといった症状の場合は、上半身の症状の診断と同様に、それぞれの症状に合わせて診察を行います。
診察の際には、医師の指示のもとレントゲンやエコー(超音波)などの検査を行います。
また、症状の原因が整形外科疾患の可能性が低い場合は、内科の診察を受けていただくこともあります。
総合的な診察の結果をもとに治療計画を立てていきます。

ここでは、腰や下半身に起こる症状の一部を紹介いたします。

下半身の症状

腰の痛み

 腰痛の多くは、腰椎に負担がかかったり障害が起きることで発症しますが、その他にもさまざまな要因が腰の痛みの発症に関係しています。
例として、原因の一つに靴のサイズが合っていないことも挙げられます。長時間にわたり自分の足に合っていない靴を履き続けていることで、体に負担がかかり腰痛を引き起こす場合があります。

症状

重い荷物を持った後の痛み・歩くと痛みが出る・立ち仕事が辛い・足がよくつる・足が冷たく感じる・寝返りが辛い・何もせずに激しい痛みがある・背中をそらすと痛む

主な原因

腰痛・腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・腰椎変性すべり症・腰椎分離症・分離すべり症・側弯症・脊髄腫瘍・転移性脊椎腫瘍・脊髄損傷・後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症・しびれ(脊椎手術後のしびれ)

代表的な病気

腰椎椎間板ヘルニア

 腰やお尻、脚にかけて痛みとしびれの症状があります。筋力の低下や、歩行が困難になることもあります。

原因

 椎間板が加齢などにより変性し断裂して起こります。重いものを持ち上げたり、体を強くひねったりすることがきっかけで発症することが多く、悪い姿勢や喫煙が原因になることもあります。

治療方法

 痛みが強い場合には安静を心がけ、コルセットをつけることもあります。また、鎮痛消炎剤の服用や、神経ブロックなどで痛みを和らげます。

急性腰椎症(ぎっくり腰)

 何か物を持ち上げようとしたとき、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多い症状ですが、朝起きた直後や何もしなくても起こることもあります。

原因

 関節や軟骨に許容以上の力がかかってケガしたような状態になる場合や、腰を支える筋肉やすじなどの柔らかい組織の損傷などが多いと考えられます。

治療方法

 痛みが強い場合には安静を心がけ、コルセットをつけることもあります。痛みなどの炎症を抑えるために湿布や内服薬にて経過をみます。

 

膝の痛み

 膝の痛みは、高齢者や肥満体形の方によくみられる症状と言われています。運動でかかる膝への過剰な負担によって、膝が痛くなることもあります。また、痛みのほかに、膝の腫れや膝がグラグラする感覚を伴うことがあります。

症状

階段を下りるのが辛い・椅子から立ち上がるとき痛む・正座ができない・何もせずに激しい痛みがある・スポーツ時に膝が痛む・膝のお皿の下が痛む

主な原因

変形性膝関節症・半月板損傷・膝靱帯損傷・膝離断性骨軟骨炎・オスグッド病・スポーツによる膝の慢性障害・膝蓋骨脱臼・腓骨神経麻痺・O脚・X脚・膝関節捻挫

代表的な病気

変形性膝関節症

 初期症状は歩きはじめだけ膝が痛みます。徐々に正座や階段の上り下りが困難となり、末期になると安静時にも痛みがとれず、歩行が困難になります。

原因

 関節軟骨の老化によることが多く、肥満や素因(遺伝子)も関与しています。また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがあります。

治療方法

 症状が軽い場合は痛み止めの内服薬や外用薬を使用したり、膝関節内にヒアルロン酸の注射などを行います。また、運動器リハビリテーションを行ったり、膝を温めたりする物理療法を行います。

半月板損傷

 損傷の原因によりさまざまですが、痛みや腫れ、関節の動きが一定の範囲しか動かない、ひっかかりなどが症状として見られます。

原因

 スポーツなどのケガから生じる場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月に微妙な外力が加わって損傷する場合とがあります。

治療方法

 リハビリテーションや抗炎症薬の処方など保存的治療で症状が改善する場合がありますが、改善しない場合には手術を必要とする場合があります。

下肢の痛み

 足の付け根にある股関節は、立つ・座る・歩くなど日常の動作で頻繁に動く部位であることから、体の中でも特に負担がかかりやすく、痛みが出ることが多くあります。

症状

すねから足にかけて冷感がある・足がしびれる・足に痛みがある・すねが痛く走れない

主な原因

ロコモティブシンドローム・O脚・X脚・腓骨神経麻痺・腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニア・下肢閉塞性動脈硬化症・シンスプリント疲労骨折

代表的な病気

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)

 運動不足による筋力低下や、食生活の乱れによる肥満、加齢で腰や膝などの病気が体全体の機能を低下させ、日常生活が困難な状態になることです。

原因

 運動習慣のない生活・運動不足・やせ過ぎや肥満・加齢などが挙げられます。

治療方法

 基本的に運動や食事の内容など生活習慣の指導を行います。

 

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